
PROFILE
立教大学・大学院・ビジネスデザイン研究科
客員教授 井潟 正彦 氏
大手邦銀、外資系信託銀行、シドニー大学留学(MBA)を経て、野村総合研究所に入社。野村総合研究所アセットマネジメント研究室長、野村資本市場研究所常務などを経て、2021年4月より株式会社 助太刀 常勤監査役。2016年度より立教大学ビジネスデザイン研究科特任教授、2020年度より同客員教授(現任)。2023年度より関西学院大学商学部教授(現任)。2024年7月より日本証券業協会「金融・証券教育支援委員会」, 公益委員(非常勤)。
2025年4月29日 ファイナンシャル・ウェルビーイング検定 認定
金融リテラシーを身に付けることは、一人ひとりが「お金」と上手に向き合い、自身の希望や夢に即した幸せな生活・人生を設計・実現するうえで不可欠です。これこそが、いわゆる「ファイナンシャル・ウェルビーイング(Financial Well-being)」です。
少子高齢化や人口減少がかつてないスピードで進行し、社会保障制度の持続性に不安が生じたり、終身雇用を前提としない転職が一般化したり、の現代日本では、ファイナンシャル・ウェルビーイングを実現するための知識の獲得・向上がますます重要な課題となっています。
受験のきっかけ
私は金融・資本市場を専門とし、大学で教鞭を執る立場からも、ファイナンシャル・ウェルビーイングを実現するための知識を改めて体系的にアップデート・アップグレードする必要性を痛感し、その目的で横田健一氏が講師を務める「ファイナンシャル・ウェルビーイング検定」を受講しました。
横田氏は、いずれの金融機関にも属さない中立的立場の独立系ファイナンシャル・プランナーです。著書には『新しいNISAかんたん最強のお金づくり』(河出書房新社、2023年)や『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA、2025年)などがあり、いずれも「お金とどう向き合うか」を分かりやすく解説した名著です。
その知性と知見の深さは略歴からも明らかであり、私の授業にゲストスピーカーとしてご登壇いただいた際も、履修生の多くから「横田先生の話を聴けて本当に良かった」との声が相次ぎました。
本検定の評価ポイント
そうした横田氏の手作り資料をもとに展開されるオンデマンド講義は、期待を大きく上回る充実度でした。特に評価したい点は以下でした:
-
- 1. 講義構成の明快さ
全21講義がそれぞれ10〜20分と短時間で視聴でき、要点を的確に押さえています。横田氏の経験と知見に基づいた簡潔な解説で、忙しい社会人にも非常に取り組みやすい構成です。
-
- 2. データと図表に基づく説得力
客観的で正確なデータを用いた図表やチャートが豊富に使用され、抽象的な議論に陥ることなく実証的です。これは金融の第一線で培われた横田氏のキャリアの賜物といえるでしょう。
-
- 3. 教材の実用性
講義で使用された図表や制度の整理資料がすべてダウンロード可能であり、検定修了後も実生活や教育現場で再確認・活用できる点が非常に有意義です。
-
- 4. 学習定着を促す小テスト
各講義後に理解度を確認する小テストが用意されており、「理解したつもり」で終わらせない設計になっています。知識の定着に極めて有効です。
金融経済教育に最適
本検定は一般の方々にも広くお勧めできますが、特に小学校から大学まで金融経済教育に携わる先生にこそ受講をお勧めしたい内容です。
金融経済教育は近年、「資産運用立国」の実現を掲げる日本政府の政策課題の一つとして位置づけられ、学習指導要領にも盛り込まれるようになりました。インフレ懸念が高まるなかで、生徒のためだけでなく、ご自身のファイナンシャル・ウェルビーイングに関心を持ち、授業の質を高めたいと考える先生も増えている印象です。一方で、「体系的な金融経済教育を受けた経験がない」「一定の知識はあるが、要点を中心にアップデート・アップグレードしたい」と悩む先生も少なくないでしょう。
まさに本検定は、そうした先生にこそ最適と思います。金融経済教育、ひいてはファイナンシャル・ウェルビーイング教育の実践の基盤として、本検定の活用をお勧めします。
2025年10月